相続対策
親が認知症になったら何ができなくなるか
相続対策の多くは、本人の意思表示が必要な「契約」です。親が認知症などで判断能力を失うと、家族が代わりに進めることはできません。
できなくなること
- 預金の引き出し・解約:金融機関が判断能力の低下を把握すると、口座が事実上凍結されることがある
- 不動産の売却・賃貸・建て替え:売買契約や建築請負契約が結べない
- 生前贈与:贈与も契約のため、できない
- 遺言の作成:遺言能力がないと無効になる
- 生命保険の加入:契約者として加入できない
- アパートの管理:入居者との契約更新や大規模修繕の発注が難しくなる
成年後見を使うとどうなるか
判断能力が低下した後は、家庭裁判所に申し立てて成年後見人を選んでもらいます。後見人は本人の財産を守ることが役割のため、次のような制約があります。
- 相続税対策のための贈与や不動産活用は、原則としてできない
- 自宅を売るには家庭裁判所の許可が必要
- 原則として本人が亡くなるまで続き、専門職の後見人なら報酬がかかり続ける
元気なうちにできる準備
| 準備 | できること |
|---|---|
| 遺言 | 財産の行き先を決める |
| 家族信託 | 不動産や預金の管理・処分を子に託す |
| 任意後見契約 | 将来の後見人を自分で選んでおく |
| 生前贈与 | 財産を早めに移す |
| 代理人カード・代理人登録 | 預金の引き出しを家族ができるようにしておく |
ポイント
- 認知症になると、相続対策はほぼ止まる
- 準備は「親が元気なうち」が大前提
- 不動産を持つ家は、家族信託や任意後見を早めに検討する
本記事は2026年10月時点の法令・税制にもとづく一般的な情報です。個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

