相続対策
不動産の共有名義が招くトラブルと解消法
遺産分割で話がまとまらず、「とりあえず兄弟で共有に」という選択をする家族は少なくありません。しかし共有は、問題を先送りしているだけになることが多いのです。
共有で何が起きるか
- 売却・建て替えには全員の同意が必要:1人でも反対すると動かせない
- 賃貸や大規模修繕にも過半数の同意が必要
- 次の相続で持分が細かく分かれる:兄弟の子どもたちに相続され、共有者が10人以上になることも
- 連絡が取れない共有者が出る:手続きがさらに難しくなる
- 固定資産税や管理費を誰が負担するかで不公平が生じる
共有を解消する方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 持分の買取り | 共有者の1人が、他の人の持分を買い取って単独名義にする |
| 土地の分筆 | 土地を分けて、それぞれの単独名義にする(面積や形によっては難しい) |
| 全体の売却 | 全員で売却し、代金を持分に応じて分ける |
| 持分の売却 | 自分の持分だけを第三者に売る(価格は大きく下がる) |
| 共有物分割請求 | 話し合いでまとまらない場合、裁判所に分割を求める |
2023年の民法改正で、所在が分からない共有者がいる場合に、裁判所の手続きでその持分を取得したり、売却したりできる制度も始まりました。
相続のときにできること
- 遺言で、不動産ごとに相続する人を決めておく
- 代償分割(1人が相続し、他の相続人に代償金を払う)を使う
- 使う予定のない不動産は、相続後に売却して代金を分ける
ポイント
- 共有は「全員の同意がないと動かせない」状態
- 時間が経つほど共有者が増え、解消が難しくなる
- 不動産は1つの財産に1人の所有者が原則と考える
本記事は2026年10月時点の法令・税制にもとづく一般的な情報です。個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

