相続税対策
相続税の計算方法を5ステップで解説
相続税は「遺産の総額にかかる税金」ではなく、いったん法定相続分で分けたと仮定して税額の総額を出し、それを実際の取得割合で割り振る仕組みです。5つのステップで見ていきます。
STEP1 課税価格を出す
土地・建物・預貯金・有価証券などの財産に、みなし相続財産(死亡保険金など)と相続前7年以内の贈与財産(2024年以降の贈与から段階的に延長)を加え、借入金や葬式費用を差し引きます。生命保険金・死亡退職金には、それぞれ500万円×法定相続人の非課税枠があります。
STEP2 基礎控除を引く
基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
課税価格がこれ以下なら相続税はかからず、申告も原則不要です。
STEP3 法定相続分で分けて税率をかける
基礎控除後の金額(課税遺産総額)を法定相続分で分けたと仮定し、それぞれに税率をかけて合計します。これが相続税の総額です。
| 法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | - |
| 3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
STEP4 実際の取得割合で割り振る
相続税の総額を、各人が実際に取得した財産の割合で按分します。
STEP5 各種の加算・控除をする
- 2割加算:配偶者・子・父母以外(孫養子、兄弟姉妹など)が取得した場合
- 配偶者の税額軽減:1億6,000万円か法定相続分まで税額がかからない
- 未成年者控除、障害者控除、贈与税額控除など
計算例
課税価格1億円、相続人が配偶者と子2人の場合。
- 基礎控除4,800万円を引き、課税遺産総額は5,200万円
- 配偶者2,600万円(1/2)×15%−50万円=340万円、子1,300万円(1/4)×15%−50万円=145万円×2人
- 相続税の総額は630万円
- 配偶者が法定相続分どおり取得すれば、配偶者の税額315万円は軽減で0円。子は各157.5万円
ポイント
- 税額は「誰がどれだけ相続するか」で変わる
- 配偶者の軽減は大きいが、次の相続(二次相続)まで含めて考える
- まずはかんたん診断で基礎控除を超えるか確認を
本記事は2026年10月時点の法令・税制にもとづく一般的な情報です。個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

