家族信託
家族信託の費用と手続きの流れ
家族信託は、親子で「信託契約」を結ぶことで始まります。契約書を作れば終わりではなく、口座や登記の手続きまで終えて、はじめて財産を管理できる状態になります。
相談から運用開始までの流れ
- 面談・ヒアリング:財産の内容、家族構成、親の希望(誰に何を任せたいか、最終的に誰に渡したいか)を整理する
- 信託の設計:信託する財産、受託者・受益者、信託が終わったときの財産の行き先、受託者ができることの範囲を決める
- 家族への説明:受託者にならない兄弟姉妹にも内容を共有し、合意を得る
- 信託契約書の作成:公正証書で作るのが一般的。公証役場で親(委託者)と子(受託者)が署名する
- 信託口口座の開設:信託した金銭を管理する専用口座を金融機関で開く
- 信託登記:不動産の名義を受託者に移し、信託の内容を登記する
- 運用開始:受託者が財産を管理し、帳簿をつけて受益者に報告する
相談から運用開始まで、2〜3か月程度が目安です。親の判断能力が低下すると契約自体ができないため、早めの着手が大切です。
主な費用
| 費用 | 目安・内容 |
|---|---|
| 設計・契約書作成の専門家報酬 | 信託する財産額の1%前後が一つの目安(最低額を設けている事務所が多い) |
| 公正証書の作成手数料 | 数万円程度 |
| 信託登記の登録免許税 | 不動産の固定資産税評価額に一定の税率をかけた額 |
| 登記手続きの司法書士報酬 | 不動産の数などにより異なる |
成年後見と違い、毎月の報酬が継続的にかかることは基本的にありません。
税金はかかる?
親が委託者であり受益者でもある一般的な形なら、財産から利益を受ける人は親のままなので、信託をしても贈与税や不動産取得税はかかりません。親が亡くなって受益権を子が取得したときに、相続税の対象になります。
受託者の毎年の仕事
- 信託口口座で入出金を管理し、親の財産と自分の財産を分ける
- 帳簿をつけ、受益者に状況を報告する
- 賃貸物件などで一定以上の収益がある場合は、税務署に信託の計算書を提出する
ポイント
- 契約書・口座・登記の3つがそろって運用開始
- 期間は2〜3か月が目安。親が元気なうちに
- 一般的な形なら、信託をしても贈与税はかからない
本記事は2026年10月時点の法令・税制にもとづく一般的な情報です。個別の判断は、税理士・司法書士などの専門家にご確認ください。

